『ちょっとだけ』
瀧村有子 作
鈴木永子 絵
福音館書店
2005年の『こどものとも年中向き』で発行されるや評判になった作品が、早くもハードカバーで登場!
こんなに早くハードカバーになったのって今までにあったかな?
福音館は、最近、
『こどものとも絵本』
というシリーズを始めたので、そのせいでしょうか。
『こどものとも傑作集』
は、もうありません。いや、在庫分はあるでしょうが、今後は
叢書名が
『こどものとも絵本』に変わっていくようです。
さて、
『ちょっとだけ』。
あかちゃんが生まれて、おねえちゃんになった女の子のお話です。
いままで自分のものだったママの手は、赤ちゃんにかかりっぱなし。
おねえちゃんになったなっちゃんは、
「ちょっとだけ」ママのスカートをつかんで歩き、自分で
「ちょっとだけ」牛乳をコップにそそいだり、ボタンをとめたり・・・。
公園から帰って、どうしても眠くなったなっちゃんは、おかあさんに
「ちょっとだけ」言います。
「ママ、ちょっとだけ、だっこして」
そのとき、ママがなっちゃんに言ったことばの、暖かいこと!
小さな子どもも喜ぶでしょうが、
この絵本をいちばん愛しく思うのは、きっと母親です。
涙した人もいるのではないかと推測します。
こんなふうにできない、と悩むお母さんもいらっしゃるでしょうが、それなら、この本を一緒に読めばいいのです。
ちょうど同じころの子どもを持つお母さんだけでなく、小憎たらしい中学生になってしまった子どものお母さんも、
胸をぎゅっと掴まれるような、懐かしく、愛しく、つらい思い出がよみがえるのではないでしょうか。
絵がまた、
林明子さんに似た、ふんわりとやさしい子どもの絵。
作者も画家も、絵本は初めてということですが、、幸せな出会いになっています。
きっと、
新しい定番絵本になるでしょう。
『こどものとも』2007年12月号『はやくかえってこないかな』で、またコンビを組んでいます。
こんどは、
「おとうさん」という存在についてです。
よかったね、お父さんたち。